どこかへと出かける蒲谷一家。親とマリナは礼服を、雷慈とエレナは制服を着ている。

そして一家はある建物に入っていく。建物の前には蒲谷家式場と書かれた看板が立っていた。
そう、一家は葬式に参列していたのだ。

しかし雷慈には気がかりなことがあった。
(一体誰の葬式なんだろ?しかも誰が亡くなったのかも聞かなかったし。)
受付を済ませて式場に入る一家。すると雷慈は祭壇を見て驚愕した。

「俺?俺の葬儀なのか?」
何と祭壇には雷慈の遺影が飾られていたのだ。

更に棺の中の遺体と対面するとそれは紛れもなく雷慈だった。

「これは一体どういうことなんだ?」
雷慈は親に問う。すると照美はこう切り返した。

「雷慈、あなたは病死したの。突然のことで驚いたよ。」
「じゃあ今ここにいる俺は?」
照美は核心に迫ることを聞かれると何も答えなかった。

エレナならきっと何か知っているだろうと聞こうとしたが、
「・・・・・・」
やはり肝心なこととなると何も話そうとしない。

そして式は始まり、読経・焼香・出棺を経て遂に火葬場に到着した。
遺族や親族たちは号泣しながら別れを惜しんでるだろうと思っていると何か様子がおかしい。

「みんなどうしたんだよ。」
雷慈はみんなに声をかける。

すると一同はおぞましい形相で振り返り、こう言った。
「ついにこの時が来たねえ。」
一同はそう言うと雷慈を捕まえて無理矢理棺の中に押し込む。
「ちょっと待て!こっちの俺は生きてるんだぞ!あっちの俺は・・・ってややこしいわ!!」
雷慈は必死に抵抗するも棺の中に押し込まれてそのままボイラーの中に入れられてしまった。
そして遂に点火ボタンが押され、雷慈はそのまま焼かれてしまったのだ。
「熱い!ここから出してくれ!!」
雷慈は必死に叫ぶが、一同には届かなかった。
「待て!俺が死んだらこの作品はどうなるんだよ!?パラレルガールの連載できなくなっちゃうよ?エレナの目的が無くなっちゃうよ?作品の世界が崩壊しちゃうよ?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」

その後雷慈は気が付くと布団の中にいた。
「なんだ夢か。」
実はさっきの話は全て雷慈の悪夢だったのだ。
「夢で良かったぜ。つーかそれ以前に自分の葬儀に出てる時点でおかしいと思ったんだよな。」
不吉な悪夢に嘆く雷慈。

翌日

一家は朝から何かの準備に追われていて慌ただしかった。しかも一家は礼服に着替えていてエレナも制服に着替えていたのだ。
「今日って何かあるのか?」
雷慈の質問にエレナはこう切り返した。
「葬式よ。だから雷慈も早く着替えて。」
葬式と聞いて夜中の悪夢が過ぎった雷慈は冷や汗をかきながらも制服に着替え、一家は葬式に出発したのであった。
ちなみにそれが誰の葬式であるかはみんなの想像にお任せしよう。

終わり

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